大家さんの珍商売 -まるまるマラウイー

マラウイで地域おこしに携わっていた2008~2010年のブログ ”まるまるマラウイ~素顔のアフリカ~” のリバイバルシリーズをお届けしています。

ネガティブなイメージの強いアフリカの明るい面を伝えるとともに、初心を思い出して今に活かすという意味も込めて・・・♪

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大家さんの珍商売

2009/11/27(金)

 

これまでにも、卵、氷、アイスキャンデーなどなど
ちょっとした物を作って自宅で売っていた大家さんの奥さん。

今日帰ってくると、こんどは生魚でした!
右はしが大家さんの奥さん。
トラックもブイブイ乗りこなすビジネスウーマンです。

なんでも、雇い人のMr.バンダ(左はしの白いシャツの人)
が今朝マラウイ湖で採ってきたそう。
魚を木箱に入れてトラックで帰ってきました。

袋に入れて400グラムで250クワチャ(200円くらい)
魚はタダだからいい商売です!

お手伝いさんやガーデナーなどの
住み込みの雇い人たちとみんなで作業中。。。
この小さな魚はウシパといって
トマト煮込みにしてシマのおかずにするのが一般的。
ほかにもナマズやテラピアを獲ってくることもあります。

そしておしゃべりする大家さん(右)と仕事帰りのお友達。

大家さんは政府の職員なので、日本でいうところの
霞が関で働き白金に住む一家、といったとこでしょうか。

家の前のゲートには、「卵、魚、氷あります!!」
と張り紙があって、けっこう色んな人が買いにきます。
私も卵はいつも大家さんから。朝一番の産みたてです。

そして左下の張り紙には「仕事はありません」。

マラウイでは仕事にありつくのが簡単ではないので
道を歩いてて「雇ってもらえませんか?」と聞かれることもしばしば。
外人だからお手伝いさんが要るだろうと思われているようです。

赴任したばかりのころ、大家さんの家にはたくさんの雇い人がいて、
でも同じマラウィアンだというのに着るものも住む家も全く違っていて
いたたまれない気分になったのを思い出します。

大家さんちには車とトラックが何台もあり
広い家にはテレビの衛星放送もパソコンもコンポもあり。
かたや雇い人たちは、大家さん家の脇に建てられた小さな小屋で
家族3人で3畳一間くらいの小さな家に住み
着古した服を身につけ、大家さんの指示通りに働く。

いまでは当たり前の光景になったし
マラウイのどこでもよく見かけることだし
雇う方も雇われる方もそれを当然のことと思っているし
それが世の中というものだよ、と言ってしまえばそれまでですが
マラウイの経済的格差とそれが導く立場的な格差の
極端さを感じずにはいられません。

日本でもおじいちゃん世代になると
普通にお手伝いさんが家にいたりしたみたいですが
その頃もこんな感じだったのでしょうか?

なによりも、日本よりもブルーカラーとホワイトカラーの
地位や待遇があきらかに違うなかで、
ブルーカラーとして働くマラウィアンが
自分の地位を受け入れすぎなくらい受け入れていて、
まさかホワイトカラーになれるわけもないし
なろうなんて考えたこともない、
という人が多いのが切ないというか残念というか。

たとて安くて過酷な肉体労働をしていている人にだって
とても賢くて常識もあり、世界中どこでも
働けそうなぐらいすばらしい人だっているのに。。。

たとえば私だったら、自分の能力とかあまり関係なしに
あんな仕事がしたいこんな仕事がしてみたい
がんばればきっと叶うはず、
って夢を描いてきたし、今でもそう。
でもそれって、とてもわがままで
恥ずかしいことだったのかもしれない。

でもマラウィアンのなかには、
ホワイトカラー的な仕事に憧れはしても
それは一生叶わない憧れで、
自分はそういう地位に生まれてこなかったから
望んでいいことだとも思わないし
がんばれば叶う範疇にあるとも思っていない。
そんな人がたくさんいます。

そういう人に会うと、
なんて謙虚なんだろう、と思うと同時に
頑張ればやりたいこと何だってできるはず!
と思ってしまう私はなんて傲慢なんだろう、と感じます。

でもせめて、意欲のある人が好きなだけ学んだり
仕事に挑戦してみたりできるチャンスがもう少し増えたら、
きっと、マラウイはもっとよくなるんじゃないか。

そうなる日を願いつつ。。。

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