出張ふたたび(前編) -まるまるマラウイ-

マラウイで地域おこしに携わっていた2008~2010年のブログ ”まるまるマラウイ~素顔のアフリカ~” のリバイバルシリーズをお届けしています。

ネガティブなイメージの強いアフリカの明るい面を伝えるとともに、初心を思い出して今に活かすという意味も込めて・・・♪

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出張ふたたび(前編)

2009/03/17(火)

 

先週引き返した出張に、再トライしてきました。
行き先はマラウイ南部の
ブランタイア県、チョロ県、ムランジェ県。

出張の主目的は、オボップに加盟している
農民グループ5つを訪問して、いかにアンテナショップへ
安定的に商品供給していくかについて話し合うこと。

そしてMBC(マラウイのラジオ局)で新しく始まった
オボップ紹介番組の制作のため、
MBC記者に取材をしてもらうことでした。

このほか個人的に、マラウイの庶民の暮らしや
日常生活での苦労、オボップに参加した理由や効果について
直接話を聞いてみました。

「ホントに成果が出てるのかなー」と
ちょっぴり斜に構えてたのですが
直接話を聞いたかぎり、数字上の収入の変化からも
話をしてくれる農民の表情からも、
多少の誇張はあるにしろ参加して
良くなったことは確実なんだ、と嬉しく感じました。

夢を聞くとどのグループでもきまって、
「もっと収入を増やしたい」とか
「家をもっと大きくしたい」と話してくれました。

「今は俺たちの家のほとんどが草ぶきの屋根だろ?でもいつか必ずトタン屋根の家に立て替えたいんだ!」
と言われて、そうですよねー、と答えながらもふと、
確かにそうなってほしいし実際応援してるけど、
いつか世界中の草ぶき屋根の家が全部電化されたら?
なんて考えると、今でさえ地球の資源の枯渇とか
二酸化炭素濃度増加とかいう問題があるのに
どうやって分けあえるんだろう・・・、と思ってしまったり。

まあ、それまでには少なくても
あと10年20年はかかるだろうから
その間に理想の暮らし像をみんなで
見直すような時代がくるのかなー?なんて思いました。

みんな幸せになってほしいけど、
みんなが先進国並みの暮らしをするのは物理的に無理。
でも大変な人を見てみぬふりもできない。。。

この業界で仕事をする以上、何が理想像なのかわからなくて
雲をつかむような不安とはいつも隣り合わせだけど
とにかく今は、前を向いて一歩ずつ一歩ずつ
目の前の問題を解決していくこと。
その先にしか答えは見えてこないことも確か。

よーし、また明日からがんばるぞー

↓ 訪問したグループ ↓
●マパンガ・ハニー・グループ

【生産品】はちみつ
【活動開始年】2002年
【オボップ参加年】2006年
【オボップ参加のきっかけ】
・マラウイ発展のため
・家計向上のため

【人員構成】102名(うち女性71%)
【地元での販路】ほとんどなし
【参加後の変化】
・収益が参加前の1.25倍に
・子どもに充分な服や食べ物を買えるようになった
・子どもを中高等学校に行かせられる人もでてきた
・友人が増えて嬉しい

【今後の目標】
・もっと収益を上げて素敵な家を建て直したい


グループメンバーの女性


MBC記者のインタビュー。取材されてるのがグループリーダー
(学校の先生でもある)
●ブンブウェ・デイリー・グループ

【生産品】生乳、ヨーグルト、チーズ、サワークリームなど
【活動開始年】1973年
【オボップ参加年】2003年
【オボップ参加のきっかけ】
・生産向上力のため

【人員構成】600名(うち女性29%)
【地元での販路】乳製品製造会社、病院、工場での直接販売、自転車での売り歩き
【参加後の変化】
・収益が参加前の1.34倍に
・子どもを私立の中高等学校に行かせられる人もでてきた

【今後の目標】
・大きな工場を持ちたい
・節約のため、メンバー専用の製粉機を買って乳牛用の餌をひきたい


毎朝、グループに所属する約500名の農民がとれたての牛乳を
自転車などに積んで集まってくる。


誰がどれだけ持ってきたかは、個人ノートと帳簿でかなりきちんと管理されていた


農民から集めた牛乳はこの機械へまとめる


殺菌、加工場。JICAから支援を受けた機械も多数

●ブンブウェ・ベジタブル・グループ

【生産品】乾燥野菜、生鮮野菜など
【活動開始年】2004年
【オボップ参加年】2004年
【オボップ参加のきっかけ】
・グループ結成後に予想より成果が出ずメンバーが減少してしまった時に、ラジオでオボップの事を聞いて参加

【人員構成】389名(うち女性53%)
【地元での販路】ホテル、レストラン、スポーツクラブ、路上マーケット

【参加後の変化】
・収益が参加前の3.50倍に
・朝から晩まで丸一日かけて川からの水汲みと水遣りを手作業で行なっていたのが、ポンプとスプリンクラーを使って楽に作業できるようになった
・家を改築し電気も通した

【今後の目標】
・新しい商品(トマトソース、ストロベリージュース)を生産したい
・活動が大きくなったので工場を作りたい(建設中)


グループメンバーの女性


建設中の工場

⇒ 後編につづく

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